さて、前時では物語を学習する中でどのような力をつけてきたか、また今回どんな問いを立てていくかということを確認した。
前時の授業はこちら
本時では、子供達が疑問に思った(子供には『はてな』と伝えていた。)ことを中心に読み取っていく。
導入 変な言葉
問いの確認
まずは前時でどのような疑問が出たか、板書を示しながら確認した。
子供達が最初にやりたいといったのは「なんで『リル』や『どうどうどう』といったよくわからない言葉が使われているのか。」だった。
子供と学習課題を立てる
さて、疑問が決まっていれば、本時でやることも見えてくる。
本時の学習は子供の言葉でこうなった。(語尾はふざけました笑)
余談だが、私は授業の中で「国語の力」というものを毎時間子供と考えている。
今日の学習はどんな力が必要かな?
どんな力が付くかな?
そんなことを問いかけながら、本時を学習することの意味やゴールを確認している。
展開 変な言葉ってなんで使われているの?
変な言葉ってどんなもの?
T「変な言葉ってどんなものがあるか探してみようか。」
そうしてしばらく子供達と変だなと思う言葉を探すことに。
その後、聞いてみると…
C「「できたて」って音なのにおかしい!」
C「四分音符分って何だかわからない。」
C「たちつぼすみれって何だろう、はっぱじゃないの?」
C「パリパリってなに?」
C「お口をとじてって、なんで『お』がついてるの?」
などなど、出るわ出るわ。
こんな細かいところに気付く子供達と会話をしているだけで楽しくなってしまう。
変な言葉の意味は何だろう。
たくさん出たところで一つ一つどんな意味なのか考えていった。
C「『どうぞ、こちらへ』って逆だよね。」
T「なんでわざわざ逆なんだろう。」
C「なんか、お店の人みたいだから?」
C「こちらって言葉を強めているんじゃない?」
C「だからブナの森にやってきたがその後にあるのか。」
C「1とか2っていう数字は何だろう。」
C「1は野うさぎで、2は野ねずみのことだよ。」
C「1はブナの木の音で、2は雨の音だよね。」
T「こういうのをなんていうか知ってる?」
C「わからない。」
T「これを場面というんだよ。」
C「ああ、知ってる!」
C「四分音符分ってなんでついてるんだろう。」
C「音が長いってことじゃない??」
T「四分音符ってどれくらいか知ってる?」
C「知らない」
T「これくらいだよ!(手をたたいて)」
C「え!短い!!」
C「じゃあ、こんな短い音が100リルなんだ。」
と、延々と続くのだがこんな感じで会話をしながら変な言葉を楽しむ。
100リルは高い?安い?
途中でこんな話題になった。
高い派は
「ただに比べたら高い。」「へえ、って言っているから。」など。
安い派は
「四分音符分って短いんだから、きっと安いよ。」「へえっていうのは高いからじゃなくて安くて驚いているんだよ。」「そんな高かったら来ないよみんな。」など。
同じ文章を同じように学習していてもこれだけ一つの言葉で意見が割れる。
だから面白いよねとみんなで共感する。
ちなみに、私は安い派である。理由は「どれでも」という言葉が使われていることと、きつつきがお店を開いた目的にある。これはまた次回の記事で。
ある子が言った一言
なぜ、変な言葉は使われているのか。
ここで、ある子が手を挙げた。
「先生、リルとか、どうどうどうとかって、みんなで考えていると色々想像ができるから、もしかして想像できるようにわざと使っているのかもしれない。だってこれは物語だから現実にはないお話だもん。だから作者がみんなに考えさせるようにうっとりとかリルとか使っているんじゃないかな。」
こんな発言出ると思わなかったので私もびっくり。みんなも「おおお!!!」と歓声を上げる。
今までであれば、私の方から教えていたような内容が子供から出る。
問いを立てることもそうだが、学習の視点が定まっていれば、自ずと子供達は色々なことに気付き学ぶのだなと改めて感じた授業だった。
ただ、当然教師が教えるべき内容を把握していないと、子供の素敵な気付きに気付いてあげられないが。
終わりに
次回は何をするかということをみんなで確認。
次回は「なぜおとやを開いたのか」考えたいというので、そうすることに。
これもまた、今までは教師から伝えたり誘導したりしていたが、子供に委ねてもちゃんと学びに向かうのだなと感じた。
子供達の問いから、どのように読みを深めてあげられるかは教師の力量である。
教える、教わるという立場から、なんだか一緒に読みを深めている感覚になる。そんな単元だなと感じていた授業。
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