授業3年生

3年生「まいごのかぎ」1時間目 子供に委ねた物語授業

授業

お久しぶりです。

なかなか更新ができず、1学期の終わりに近づいてしまいました。

授業実践をしていなかったわけではなく、この1学期は今までの授業観を崩して、当たり前をやめてみようと少しずつ実践と反省を繰り返していました。

この1学期にやってみた授業を夏の間に投稿していこうと思います。参考になるか分かりませんが、御覧ください。

この記事を読んで分かること

  • 個別最適な授業に向けた実践
  • まいごのかぎの実践
  • 3年生段階での物語の授業

導入

物語でこれまで学んだこと

T「さあ、今日から新しい学習に入るよ。」

C「やったー!」

T「前回は説明文だったね。今回は・・・?」

C「物語だ!」(嬉しそう)

さて、ここら辺はいつも通りの導入。

yuuh先生
yuuh先生

さて、これまで物語ではどんな学習をしてきたかな?

C「はてなを探したよ!」

(きつつきの商売で行った言語活動のことだなきっと)

T「そうだね、他には?」

C「言葉の理由について考えた!」

C「あー、やったやった。」

C「したこととか、話したことを読んだ!」

うーむ、よく覚えてくれているなと感心。

きつつきのお話ではなく、どんなことを学んだかが言葉で出てくると、つい嬉しくなっちゃう。

前回のきつつきの商売はこちらの記事から

3年生「きつつきの商売」1、2時間目 物語を楽しむ言語活動
新学期最初の物語単元。ここでは、まず国語の学習を楽しいと思ってほしい。これまで学習した内容を振り返りながら、今回は子供達の疑問を基に学習課題を立てていった。本時では2年生までにどんなことをしたか、物語を読んでどんな「はてな」が見つかるかをみんなで考えた。

 

物語の学習に目的をもたせる

さて、なぜ毎回こんなことを聞くかというと、目的は一つ。

これから、なぜ物語を読むのかということを考えたいから。

低学年、中学年あたりにとっては、用意された教材文でも魅力的に感じる児童が多いように思う。

だからこそ、なぜ学校で35人一緒に同じ教材を何時間も学習していくのかを考えさせて授業に臨みたい。

ここからは私見でしかないが、

「やりたい」と思った瞬間、子供達は自分から学び始める。それは何年生でも一緒。

私はその「学ぶ力」を存分に引き出して、10年後も20年後も生きて働く力をつけてあげたい。

そのためには「やりたい」と「やれそう」を子供たちが常に持てるようにしてあげたい。

下の写真は昨年、6年生に国語を学ぶ理由を尋ねた時の返答である。

学校の授業が好き、ではなく、学ぶことに価値をもって、これから先も大切にしてほしいとおもう。

(もちろん、好きになっても欲しいが、そもそも私は昔から国語が嫌いだ笑)

話がそれたが、下が本時の板書前半。

展開 何したい?

まいごのかぎをどう学ぶ?

さて、学んできたことを挙げた後、「今回学習すればもっと伸びそうだ」というわくわくを少し残し、教材文に入っていった。

「まいごのかぎ」という題名から色々想像をしてみる。よくある発問だが、たった6文字から、色々なことを想像できることから、言葉にこだわると面白いのだということを伝えたい

さて、ここからが本時の本題。

今年まさに、全ての授業で行っていることである。

やっていることの内容としては主に

  1. 本単元で学習してほしいことは伝える。
  2. 本単元で学習したいことを考える。
  3. ゴールで何をしたいか考える。
  4. 学び方を子供達にゆだねる。
  5. スタート

である。

なぜ、ゆだねるのか。

考え方はいろいろあると思うが、今考えていることは

  • そもそも学ぶことって、与えられること?
  • 35人が一斉に同じことを同じタイミングと速度で学ばなければいけない理由は?
  • 10年後、20年後生きる中で本当に必要なことって?

そんなことばかり考えている。

ここで間違えないで欲しいのが、今までの授業が悪いとか、ゆだねるのが良いとかではないということ。

ただ、新しい学びを授業で作れないか、今試している段階というだけである。

だが、これがまた、楽しくて仕方がない。

一斉授業に感じる課題

どちらが良い、悪いではない。どちらも必要である。

だが、一斉授業で感じた自分なりの課題をあえて挙げると、

  • 34人が盛り上がっている中で、それに合わせているだけの1人がいる気がする。
  • 本時の課題とは違うところで考えたい子がいるのでは。そっちで輝く子がいるのでは。
  • 授業で評価をするが、評価の基準から外れている子は、違う方向で輝いているだけなのでは。
  • そもそも、大人は自分の学びたいことを学ぶではないか。

教師が教えないというわけではない。学ばなければいけないということもある。

だが、あえて、その固定観念を崩してみたい。

そこで今年は子供達に委ね、私は教室中を回りながら、質問したり、助言したり、意見を戦わせたり、子供たち同士をつないだりする。

今回の単元で統一したこと

とはいえ、その時の子供達の実態に合わせ、必要なことはそろえている。

今回は「感想を書くことで、読みの深さを確認する」という言語活動はそろえ、「はてなを読み解く」という最初の1時間も統一した。というのも・・・

T「さて、次回からどのように学んでいきたいかな?」

C「『こまを楽しむ』の時みたいに、みんなバラバラに学習したい!」

C「えー、最初だけはみんなとやりたい」

C「いや、途中でみんなとやりたい!」

C「最後までばらばらでいいよ!」

と、やりたいことが多岐にわたったので、ここだけは学ぶための授業ということを踏まえ、どのように進めたら学びが深まるかをみんなで考えた。その結果、最初と途中だけは考えを出し合うことになった。

単元を通しての成果

ちょっとだけ、どんな学びをそれぞれの子がしていたかお見せします。

子供の学び1

この子は、りいこの行動に着目して、疑問をもっていましたが、読み進めるとりいこの感情の移り変わりが行動に結びついているのではないかと考えたようです。(2時間目)

この子には、どこを読んでそう感じたのか、楽しいに変わったのはどこかといった内容を聞いてみました。すると改めて教科書を読みながら友達と話していました。

その子と一緒に学んでいた子の考えが下の画像。

この子は楽しくなったという言葉だけでなく、がっかり、ほっとしたという言葉にも引っ掛かりをもっていました。この子には先ほどの子と繋げながらも、自分と比べさせ、りいこがどんな子か、性格まで考えられるよう声掛けをしてみました。

子供の学び2

この子は「なぜ、りいこは交番にすぐ届けないのか」ということに疑問をもっていた。(2時間目)

4人組で意見を交わしていたことをまとめたのが下の文章のようでした。

上記のままでは想像や印象が強いので、この子達にはあえて、「本当にそんなこと考えている?」「いいところがないって思っているかな?」「そもそも1つ目で驚いてすぐに届けそうじゃない?」など、こちらの意見を伝えることで、改めて、文章を読み直したり、考え直したことを伝えてくれたりしていた。

これらほんの一部を見せてもわかりづらいかもしれないが、このようにみんなバラバラ。でもそれぞれが集中して学ぶために何が必要かなと考えて物語に向き合っていた。

具体的な授業の内容は次の記事をぜひ!

実践に関する御意見、御感想、御質問がございましたらこちらから。

次回もお楽しみに。

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