前時までで、意見文が一通り完成した。だが、あえてここまでを短い時間で終わらせたのは、本単元で一つ工夫をしたかったからだ。
普段の授業には必要ないかもしれないが、本時は+αで子供達の力を伸ばす時間になる。興味のある方はぜひ最後まで読んでみて欲しい。
導入~問い直しの時間~
文章に説得力はあるだろうか
ここまでで全員が意見文の第一稿が出来ていた。
T「前回までで、意見文書いたよね!」
C「書いた!」
T「その意見文で学習したい力は何だったっけ」
C「図表やグラフについて」
C「説得力!」
T「そうだよね。じゃあ、君たちの書いた意見文は友達に納得してもらえそう?」
C「微妙・・・。」
しっかり書けているものも多いが、ここはさすがに完璧と答える子はいないようだった。(答えてくれても良いのだが。)
T「じゃあ、今日は実際にどうか確認してみよう。」
問い直しとは
言葉だけ見ると、問い直しとは辞書の意味でいうと「質問し直す。」なんて言葉が出てくるが、
私の中での問い直しは「自らの学習を顧みて、本当にそれでよいか明らかにする。」という意味合いである。
自分の成果と課題を見いだし、次の学習へ繋げるこの時間は、学びに向かう力に直結する学習活動ではないかと思っている。
ただし、問い直すからと言って、自問自答だけでは課題は見つからない。
なぜかは簡単で、子供達にも授業で伝えた。
T「さて、今日は書いたものを見直しながら説得力のある文章について考えるけれど、誰が見直せばよい?」
C「自分以外の人!」
T「そうだね。なんで?」
C「自分は良いと思って書いているから、何回見ても良いと思うはず。」
T「そうだね。」
展開~文章の共有~
あえて批判し合う
さて、ここで今回行ったのは、良いところを見付け合う共有ではなく、あえて「批判」しあうというもの。
クラスの実態に合っていたのもあるが、「図表やグラフ」と焦点を絞って批判し合うことで、人の文章を批判しているはずが、いつの間にか自分の文章がどうだったか思い返すことにもつながる。
ここがだめ!と言いながら、自分はちゃんとできていたっけなと見直すきっかけにもなれば、自分はちゃんとできていたぜ!という成果の確認にもつながる。
見つけた批判は口頭ではなく付箋に書いて貼りつける。
可視化することで、この次の学習に繋げていく。
説得力のある文章とは?
さて、たっぷり意見を言い合った後は休戦。ここも大切。あくまで学習。
近くの人とグループになり、「説得力のある文章の工夫とは」何かについて議論する。
ここでさっきの付箋を活用し、まとめ、わかったことや考えたことを言葉にしていく。
自分の文章を問い直している。ここでの指導事項は「グラフや図表」ではあるが、限定する必要はない。ああしたらいい、こうすればよかったと、話ができるから、自分の文章をもっとこうしたいという思いが出てくる。
次時の学習活動を自分で考える
ここまで出てきた意見を基に、学級全体で説得力のある文章の工夫とは何かをまとめる。
この時のまとめで出てきた意見は
文章、伝えたいこと(主張)、図表やグラフは3つがつながって初めて効果があるということ。
それを踏まえて再び自分の学習に立ち返る。
次の書く時間に必要なことはそれぞれで違うようだね。自分の学習を考えてみようか。
終わりに
これが私のやりたかった+αである。
ちょっと単元構成を工夫しないと時数が足りないが、1回書いて終わりではなく、問い直してリトライする。それにより、主体的に何を学習すべきか考え、自ずと次の時間はそれぞれが自分に必要な学習を進める。
次の時間は一度読むことに戻るのだが、それはまた次の記事で。
今回は意見文だが提案文の授業はこちら
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明日も楽しんで授業を作っていきましょう!
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