前時までで、図表やグラフについて考えるということを子どもたちには意識させてきた。
本時では改めて説明文に戻り、筆者が使ったグラフや表にはどのような効果があったのかを考えていく。
導入~グラフや表はどんなところに用いられているだろう~
単元構成について
図表は意味があって使われている。
さて、以前の記事にも書いたが今回の単元は「読むこと」と「書くこと」の入れ子構造で進めている。
4時間目の本時は、自分の書くことの活動を受けて、改めて読むことに戻ってくる。
T「さあ今日もやっていこう。前回自分たちの主張のために図表やグラフを調べたね。」
C「うん。」
T「いろいろ見つかったと思うけれど、「固有種が教えてくれること」の文章にはどんな図が使われているかな。」
C「なんか、ニホンカモシカの写真があった。」
T「日本地図もあった。」
C「なんかのグラフみたいなのが2つ並んでたりもした。」
T「そうだったね。いろいろ使っていたよね。さて、筆者は何で資料をこんなにもたくさん使うのだろう。」
C「そりゃ、説得力をもたせるためでしょう。」
他の子もうなずく。
T「そうだね。説得力をもたせるために文章以外のものを使うのは効果的だね。」
じゃあ、筆者はどのタイミングで図表やグラフを用いているのかな。
C「それは、わかりづらいところとか。」
C「知らないこととか。見ないと分からないこと。」
T「じゃあ、わからないことはとりあえず資料を用いているってことかな?」
C「うーん」
T「じゃあ、今日やることが見えてきたね。」
展開~どこでどのような意図で図表やグラフが使われているか~
図表やグラフは子ども達の言う通り、文章だけでは伝わりづらい文章に用いられる。だが、用いられている資料の種類によって伝えられる情報は変わる。本時ではそこを本文の言葉とつなぎ合わせ、どの文章を伝えたいからどの資料を用いているのかを考えていった。
①段落構成図
1年前の授業で子どもとの会話がうろ覚えのため(更新遅くてすいません)
授業の流れと板書を載せていこうと思う。
まずは、子ども達と共に文章全体を把握するため段落構成を考えた。
結果、1,2段落、11段落(授業後すぐ消されちゃった)がはじめとおわりだろうという結論になった。
子ども達の中では双括型ということで落ち着いた。
さて、問題の「中」を分析していくが、これがなかなか長い。
大きく2つに分けると6段落までで一つだということになった。
C「だって7段落目でまた問いが出てくるから、ここからもう一つの課題について論が進む。」
多分そんなことを言っていそう。
②図表やグラフの使い分け
さて、どこで何が使われているかというところに迫っていく。まずはそれぞれの段落で用いられている資料が何かをまとめる。
表に地図に写真にグラフ。読んでいただければわかると思うが、様々な資料を用いて文章が書かれている。
さて、なんで一番最初、固有種の数を表で表しているのか。
数なら文章中で済むのではないか。
そこで、日本とイギリスの固有種の数がわざわざ書かれている理由について考える。
筆者は、同じ島国で、ある程度同じ大きさの国であるにもかかわらず、日本に固有種が多いこと、
固有種は豊かな環境が必要であることを通して、日本の豊かな環境を守っていこうと主張したい。
そのため、固有種の具体的な数値を示し、「ほら、日本て素敵なんだよ。豊かな環境があるんだよ。」ということを伝えたい。
そのためには比較が必要であるため、表に表すことが効果的となる。
このように、一つ一つ(最初の1つを教えればあとは子ども達が考え始めるが)の図表を文章や筆者の意図とつなぎ合わせることでなぜこの資料なのかということを考えさせていった。
終わりに
何が書いてあって何を伝えたいかということももちろん大切だが、国語の授業では、「言葉」を大切にしたい。
この言葉を伝えるためにこの図を用いている。
この言葉があるからこれが伝わりやすくなる。
説明文でこそ、文章の内容に加え、表現の工夫や、筆者の意図を考えさせたい。それが子ども達の発信する力に繋がっていくと思っている。
ここまで学習した子供たちは、自分の文章に図表を当てはめたくてうずうずしてくる。次回はまた、書くことの授業に入っていく。
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