導入を行った前時の授業はこちら
導入 ~書くために「読む」~
2時間目の本時は「提案文を書く」「友達に納得してもらう」という目的のために、「手本として読む」ということをしていく。
「固有種が教えてくれること」は図表やグラフを様々用いて、筆者が伝えたいことを書いている文章だ。まずは、この1時間で、「筆者は何を言いたいのか。」という要旨をまとめていく。要旨といっても1時間でものすごく深く読むことは難しいので、大体の内容を捉えればよしとする。
筆者は何が言いたいのかな。
さて、今日から書くために文章を読んでいくところから始めるんだったね。
文章を短くまとめたものを何と言ったか覚えているかな。
C「要旨!」
うん。さすが。文章を短くすることで内容を整理することができたことを思い出させる。
では、要旨をまとめるのに必要なことは何だろうね。
C「キーワードを探す!」
C「キーワードが多い段落を考える。」
C「事実と考えのうち、考えが書いてある段落が大切なはず!」
こんなコツのような内容が出てきたところで、おそらくこの子たちなら1時間で大体の内容は理解するだろうと考え、今回はグループに任せて見守った。
展開~要旨の読み取り方~
色々あると思うが、私は普段以下のように指導している。
- キーワードを考える
- キーワードが多く出てくる段落、もしくは最初と最後の段落に着目する。
- 「要するに・・・」でまとめ、「そのために・・・」で事例を挙げる。
文章のキーワードは「数」と「題名」
これは私の考えではなく、偉大な先輩方から教わったことである。筆者が伝えたいことは繰り返し出てくる。出てくるということはそれが要旨には欠かすことができないキーワードとなる。
今回の文章の場合は、「固有種」「環境」「残す」といった言葉が目立つ。
これ以外の説明文では当てはまらないこともある。だが、基本、伝えたいことが明確ならば、都度その内容が出てくるはずである。なぜなら、事例は考えと共に書くことで説得力をもたせることができる。逆に言えば、伝えたい考えにつながらない事例は文章に扱われることはないからだ。
ということで、まずは何度も出てくる言葉に着目させる。
キーワードが「多く出てくる」とは
さて、キーワードが絞れたらそこからはそれを基に筆者の主張が書いてある段落を探す。当然、筆者が伝えたいことはそれらのキーワードが使われているはず。ということは、キーワードが全て含まれている段落、もしくは複数回出てくる段落から見ていくのが良い。
今回でいえば、筆者の主張は最後の段落と2段落目に書かれている。
だが、2段落目は「わたしは~」という筆者の考え、願い。最終段落は「わたしたちは~」という主張、投げかけ。
どちらを伝えたくて今泉さん(筆者)が文章を書いたのかを考えると、自ずと大切な段落がどこかが見えてくる。
余談だが、これが出来ていると、残りの段落は、伝えたいことを伝えるためだけに書いている。ということが分かる。
例えば事例を挙げていようが、一見関係のない話を出そうが、反例、反論を出そうが、全て筆者の主張へとつながっていく。
だから、説明文は余計な部分を除くととてもシンプル。それを最初に理解するために、要旨を最初にまとめていく。
要旨のまとめかた。
これも様々な方法があるはず。だが、私の場合は2つのことをまとめさせる、
1つ目は「要するに」何が言いたいのか。文章中の言葉をそのまま使うのも良いが、それをさらにかみ砕いて理解して「要するに筆者は~と言いたくて(伝えたくて)文章を書いた。」と簡単にまとめられるのが理想。
今回の授業ではそれを行うために色分け付箋を用いた。
2つ目は事例「そのために~~を事例として挙げた」とさせる。
これは本時はそこまでこだわらなかったが(なぜなら事例が本単元の肝だから)、伝えたいことのために何を事例で挙げているかをまとめさせる。そうすることで文章全体の構成が見えてくる。
まとめ~説明文を読む意味~
説明文を読むのは何のためだろう。教科書にあるから?それとも教えないといけないから?
わたしは説明文は人が伝えたいことを伝えるための数少ない方法の一つであると考えている。
人は「話す」ことか「書くこと」でしか考えを伝えられない。それを正確に受け取る。読み取って自分の考えを述べる。
これは生きていくうえでなくてはならない力ではないかと考える。今回は「自分たちが書いて伝えたいから、まずは大人はどのように書いているのだろうか。」ということを考えるために読んだ。授業はぜひ、次への意欲や目的をもたせて取り組めるように日々仕掛けていきたいと思う。
(だが、なかなかこれが難しい・・・)
次時はこちらから
今回は意見文だが提案文の授業はこちら
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コメント
ありがとうございます。とてもわかりやすかったです
ですよねえ。