2年生最後の単元。そしてなんと面白そう。友達の素敵なところを伝えるなんて、最後に良い教材だなあ。でも、教科書の通りだけでは、きっと物足りない。よし、言語活動を考えよう。
関連して、学期末の「話すこと」の授業はこちら
導入~国語の力を生かす時が来た~
T「さて、今日からが2年生最後の勉強だ!!」
C「えええええええ!!」
この一年で国語好きになったという子もいた。数名だけど。そんな子たちとお別れは寂しいなあと思いつつ最後の単元スタート。
すてきなところをつたえる単元だが、やることは一つ。これまでの国語の力を試すのだ!
普段であれば、見本を示したり、意欲付けの導入を行ったりもするが、今回は最後の単元!楽しく、そして頑張って力を発揮しようとする子供たちの意欲は十分。余計な導入はいらなかった。
すてきなところを伝える・・・???
T「さて、すてきなところを伝えるって、何する??」
C「うーん、なんか、良いところを伝える。」
C「ここがすてきって話をする!」
T「じゃあまず、君たちが素敵なところを誰に伝えたい??」
C「友達!!」
そりゃそうだよなあ。
C「お母さんとか!」
C「お父さんも」
家族が出てきたなあ。
C「自分!」
T「自分!?」
C「なんか、一年頑張ったから、自分の良いところを伝えたい。」
なるほど、面白いなあ。
C「先生に言いたい!!」
T「私かな?」
C「そう!」
何とうれしい言葉。
こんな感じで、相手意識をもたせる。
伝える方法は???
さて、相手が絞られたら次に考えることは…
T「じゃあ、どうやって伝えようかあ。」
C「手紙を書く!」(一発で出たなあ)
C「電話する!」
T「お、いいねえ。電話しよっか!」
C「でも電話じゃ国語の授業にならない・・・。」
そんなことを考えているのか。
C「直接会って話して!」
T「それもありだねえ。」
何から考えればよいだろうか。
さて、色々出たが、ここで、「誰に」と「どのように」のどちらを先に決めるか子供たちの中で疑問になった。
ちょっとうろ覚えなのだが、子どもたちの中では、「どちらからでも決められる。」という意見が多かった。
しかし、誰にを先に決めてもどうやってが決まらない。なぜなら、手紙でも、電話でも、会ってもよいという相手がいるらしい。
そんなところから、「どうやって」を先に決めて「だれに」を後に決めることになった。
C「電話はできないよ、みんなで一斉になんて」
C「直接会って話す」
C「でも会えない人もいる!」
C「じゃあお手紙??」
こうして、手紙を出すことになった。これが単元の導入。子どもたちが決めた相手に、子どもたちが決めた方法で伝える。
(まあ、ただ書くことなので、手紙にならなかったらちょっと困ったけれど・・・。)
展開~何しようかな~
いきなり書く?
T「相手はみんな同じにする?それとも自分の好きな相手にする?」
C「(声をそろえて)好きな人!!」
まあ、そうだよね。送れって言われた相手になんか送りたくないよ、うん。
でも、これも計算通り。
T「そうだよねえ。でもすぐに今から書くと、力はつくかな。」
C「今までと変わらないかも。」
C「練習しようよ。前みたいに。それから書く!」
T「うんうん、じゃあ、練習相手はどうしようかあ。」
C「友達同士で送って、練習するとか?」
C「あーー、いい!」
T「じゃあ、まずは君たち同士で書いてみて、それから本番にする??」
C「そうする!!!!」
…これを狙っていた。これで全員友達からもらえるようになり、練習もでき、そして好きな相手に送るという本番を迎えることができる。
私の研究である「自覚する場」と「生かす場」がある。
あともうひと工夫。
言語活動を設定する
T「じゃあ、送る練習相手は自分たちで決める?」
T「それともせっかくだから、誰が誰に送るかわからないようにして、『ないしょのゆうびん』をサプライズで送る???」
C「(全員そろって)サプライズ!!!」
こうしてわがクラス最後の学習が決まった。
まとめ~言語活動は何のため~
何のためって、それは「子どもに力をつけるため」に行うものだ。ただ、知識を身に付けるだけなら、教え込みでも成立する。
言語活動は、学習したことを自分で考えて生かし、試すことができる。そして何より、楽しい!
毎単元こんな風に流れるわけではないが、いつも子ども達が喜んで、楽しく、自分から学び、そして「もっとやりたい!」というような授業が作れたらなと思っている。
さて、手紙書くぞー。
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