さて、本時は2時間目ということで、この話がどのようなものか、内容の把握から始めていく。
前時で引き出した子供達の思いが実現できるような授業になればと思う。
前時はこちらから
導入
あらすじの読み方
さて、言語活動が「読んで考えたことをまとめて、会議したい」という子どもたちの願いで決まった前時。それを受けて本時から少しずつ読み取りを深めていく。
T「前回、会議するって決まったよね!」
C「うん、早くやりたい!」
T「じゃあ、今すぐ始める?」
C「無理だよー!」
C「まずは読まないと考えがうかばない!」
なるほど。では読むかということで範読することに。
T「今から読むから、お話の内容を考えながら聞いてほしいのだけど、お話の大体の内容のことをなんと言ったか覚えてる?」
C「あらすじ!!!」
おお。よく覚えている。
T「じゃあ、あらすじに必要なことはなあに?」
これには少し時間がかかった。
あらすじを読み取るためには
1.登場人物
2.大きな出来事
の2つが関わる。
登場人物とは、物語の出来事に関わる人や生き物。
出来事とは登場人物の心情や行動を変える事件。
なので二つは切り離して考えられない。
この物語の出来事とは?
上記の写真の通り、「出来事」が子ども達から出てきた。
- スーホが白い馬を拾った
- オオカミと戦う白馬(白馬の変化)
- けい馬での事件(優勝したが白馬をとのさまに取られる)
- お披露目会での事件(白馬が逃げ出す)
- 馬頭琴を作った
これらが実は次時の「場面分け」につながっていく。
展開~この物語の登場人物は?~
T「では、このお話に出てきた人物はだれですか?」
C「スーホ!」
C「おおかみ!」(2番目にこれ!?)
C「白馬!」
C「とのさま!」
などなど出てきた結果がこちら。
登場人物の選び方
子ども達から最初に出てきたのは9人の登場人物。ここから、次時以降の読み取りに必要な人物を絞る。
T「さて、これらの人物はみんな大切かな?」
C「そんなことはない!」
C「出来事に関わってない人もいる!」(1,2学期ですでに学習している)
T「では、まず、絶対にこの人は大切ではないというのはだれかな。」
C「ひつじ!!」
C「むすめ!」
T「どうして?」
C「だって、ひつじは名前としては出てくるけど、会話もないし、出来事も起こしていないから!」
C「むすめも、とのさまが話した言葉に出てきただけで、むすめ本人は物語に出てきていない!」
ということで、すぐに2人は除かれる。
T「では、絶対に大切だと思う人物は?」
C「スーホ!題名になっているし、すべての出来事に関わっている!」
C「白馬も同じですべての出来事に関わっている!」
T「とのさまは?最初のできごとにはかかわっていないよ?」
C「でも、白馬がにげたり、つかまったりしたことは大きな出来事だと思う。」
C「そこにかかわったとのさまはたいせつ!」
残りの人物は?
ある子が「おばあさん」にこだわっていました。
C「おばあさんがいないと、スーホは生活できていないはず!」
C「おばあさんがいたから、スーホは優しいのだとおもう。」
よく考えているなあ。それにつられて
C「でも、そうしたらおおかみだって、白馬とのかかわりがあるし、家来たちが、スーホをなぐったりしたというのも、取られた事件にかかわっている!」
などなど。
これらのやり取りを通して、子ども達の中では出された人物を
「大切な人物」
「一番大切ではないが物語に関わっている人物」
「登場人物とは言えない人物」
の3グループに分けることができた様子。
いつもなら、ここで主人公を考えていくのだが、今回残して、心に残る文を決めて終了。
物語は何のために読む?
出てきた人物と出来事からおおまかなあらすじをつかんだ本時。
指導要領でいうところの「内容の把握」である。
人物の行動や場面の様子から物語の大体の内容が分かればよいのだが、それを教えたいというのは大人の都合。
子ども達からしたら「面白い」「読みたい」「不思議だな」が一番大切。だからこそ、そこに「身に付ける力」を示し、「これができるようになったから、面白いね。」「こうすれば、もっと読めるようになるんだね。」と付いた力を自覚させてあげる。
そんな風に、こちらの意図と、子どもたちの願いが合わさって、学習が楽しくなっていけるよう、次回も授業を工夫していきたい。
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