導入「話の上手な人と下手の人の違いは?」
さて、資料が十分に集まり、提示する準備も終わったところで、本時はもう一つの課題、「話の構成」について。
授業の始めに上手、下手の認識について確認した。
T「話の下手な人ってどんな話し方だろう」
C「声が小さい」
C「相手を見ていない」
ここら辺までは、低学年でも出るレベル。
C「オチがない」
C「例えや表現が悪い」
C「話がつながっていない」
おお、なんか構成っぽい話が出てくる。
C「事実と考えが区別されていない」
C「どちらかが欠けている」
よく学んだことを覚えているなと思いつつ
T「ということは、やはり上手な人は話の構成が工夫されているようだね」
展開〜上手な話の構成とは~
高校生のプレゼンを参考に
ここから、高校生のビジネスプラングランプリというプレゼン大会の優勝映像を資料に話の組み立てについて考えていった。(https://www.youtube.com/watch?v=80bUJxQscngを参考にさせていただきました。)
3時間目までの授業で「メインメッセージ」が大切であることを伝えていたため、伝えたいことを明確にして、そのために話を組み立てていくことは子どもたちも意識していた。
T「さて、話の最初に、優勝したこの人たちは何を話すと思う。」
C「伝えたいこと!」
C「メインメッセージ!」
C「自己紹介!!」(みんな笑う。)
T「じゃあ、見ていこうか。」
映像を実際に見ていただければわかるが、自己紹介から始まり、教室は笑いに包まれた。
一番伝えたいことはどこで話す?
T「さて、ここからが問題。この人たちはどこで自分たちの商品の話をすると思う?」
安全な蚊よけについてのプレゼンなので、当然蚊よけの商品を一番伝えたいはずだが、それを伝えるタイミングから、話の構成を考えていった。出したのは次の4択。
- この後すぐに紹介
- 一つ話を挟んでから商品の紹介
- 話の中盤で紹介
- 一番最後
さて、みなさんはどれだと思うかな。子ども達は1と4が多かった。
なぜ1,4なのか。それは子ども達には既有の知識があったから。
C「先生!頭括型か尾括型で最初か最後でしょ!?」
C「説明文でも、意見文書いた時でもそうだった!」
書くことと話すことの違い
T「じゃあ、少しずつ見ていこうか。」
そういって映像を基に話の構成を確認していく。なかなか商品は出てこない。
クイズで興味を引き付け、
病気や致死率といったデータを基に根拠を示し、
今までの蚊よけの話が入り、
映像が流れるたびに、「じゃあこのタイミングだ!」と考えを話し合う子たち。
そしてついにその時は来た。
C「あ!商品の紹介だ!」
C「え!?話の途中で出てきたよ。3が正解じゃん。」
そう。プレゼンでは商品が途中で紹介される。子ども達にとっては
メインメッセージ=給食のコンセプト
商品=給食メニュー
であったため、メニューを最初に伝えようとしていた子たちには驚きだった様子。
まとめ~話の構成を工夫するとは~
伝えたいことに合わせて話の構成を工夫する。教科書では最初と最後に考えを、中には事実と考えを入れて構成を作っていく。だが、本来プレゼンテーションとは「相手に自分の思いを伝えるため」のもの。今まで学んだ型を崩して良いとわかった子たちは、この後話の構成を必死に話し合った。
いかに聞き手を引き付けるか。
いかに聞き手の心を離さないか。
いかに、自分の考えに共感してもらうか。
そのために話の構成を工夫していく。それらはすべて「伝えたいことを伝えるため。」
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