授業3年生

3年生「ちいちゃんのかげおくり」1時間目~子供と共に学習者になる導入アイデア~

授業

お久しぶりです。長らく更新をしておりませんでした。
というのも、この1年弱、板書をしたり発問をしたりということにこだわるだけでなく、子供たちを見取るということに重点を置き、子供たちが本当の意味で学ぶという状態はどんなだろうと考えていました。故に「これ」という分かりやすい指導法をまとめることができずにいました。

一方、自分の実践をアウトプットしていく、言語化していくことをしないといけないとも思いましたので、今日から改めて更新を再開したいと思います。(不定期ですが)

更新していない間も常に何万というPVがついているのを見て、ありがたいと思うとともに、更新せず申し訳ないとも思っていましたので、可能な限り自分のしたことを言語化していきます。

参考になれば幸いです。それではやっていきましょう。

この記事を読んで分かること

  • 「ちいちゃんのかげおくり」の導入の仕方
  • 発問や、指導法の工夫
  • 「主体的に学ぶ」ということの考え方

導入 ~「なぜ学ぶ」か~

「物語」を学ぶってなあに?

突然だが、物語を学ぶのはなぜだろうか。

児童A
児童A

登場人物の気持ちを読み取るため!

児童B
児童B

気持ちとかを考えたり、本を読んだりして、普段の生活に生かすため!

と、まあ色々あるだろうし、それは人それぞれだと思う。だが、学校教育法の第二章、小学校第十八条には「生活を明るく豊かにする音楽、美術、文芸について、基礎的な理解と技能を養うこと」とある。

…文学は生活を明るく豊かにするもの。素敵だ。

だから最近私が伝えているのは

yuuh先生
yuuh先生

物語は楽しむために読むんだよ。

である。

具体的にどういうことを学べば良いか問う。

さて、改めて楽しむことが学ぶことの中心であることを確認したところで、これまでの学びを振り返る。

T:「さて、これまでものがたりではどんな学びをしてきたか覚えているかな?」

C:「場面について3年生は学んでいるよ!」

C:「気持ちとか様子に注目したよね。」

C:「まいごのかぎではうつりかわりも勉強したと思う。」

などなど、色々出てきたら嬉しいが、出てこなければこちらから伝えて思い出させてあげればよい。学習の用語として「場面」や「人物」というものに着目することを言えるようにしてあげると、このあと子供達にゆだねた時に、学び方の視点にもなる。

さて、これで物語を学ぶというのが具体的な姿として思い出されてきた。

ここで次のように子供達に問う。

yuuh先生
yuuh先生

今挙げたこれまでの学習で、どれが得意で、どれは苦手というのはあるかな?

ここで少し時間をとって個別に考えさせても良い。またそのまま全体で進めるのも良いと思う。

C:「場面を分けるのはできるな。」

C:「作者のことを考えるというのも楽しかった気がする。」

C:「様子を読み取るというのはよくわからなかったなあ。」など考えたことを共有したのが下の内容になる。

私のクラスでは、内容をまとめたり、うつりかわりを読み取るというのができていないと感じていた。

ここまでくれば、今日から物語を読む中でどんなことを学ぶか見えてくる。

展開 ~「何を」「どのように」学ぶか~

何ができたら楽しいか。~授業構想について~

上記のようにこれまでの学習を振り返った上で、今回どのような学びをしたいか子供達と問う。

この時に何をそろえて、何をゆだねるかというのを考えることができる。

この当時は、私は「単元のゴール」を子供達と一緒に考え何を学ぶかという「指導事項」はこちらで一つ提示していた。そして、言語活動をゆだねていた。割合で言うとこんな感じだ。

子供達にはまず、「場面のうつりかわり」を読み取ることが今回の課題であると伝えた。押し付けではなく、前述のように出てきた子供たち自身の課題を、国語の指導事項に当てはめるとしたらどれかを考えた結果である。

その上で、何ができたら面白いか考えた。

子供達からは

「最後に話し合うと面白くなる。」

「自分の本みたいにまとめたい。」

「ちいちゃんについて考えまくりたい。」

「様子とか人物とかを考えられるようになりたい。」

など、色々な視点でやりたいことが出てくる。

(なぜこんな風にやりたいことが出てくるのかは、また別の記事で!)

単元のめあてを子供と決める。

そこから今回の学習をどのようなゴールへ向かわせるか全体で共有する。

これまで、単元のめあてや目標というと

「〇〇を考えて~しよう。」

「〇〇に気を付けて△△を作り、~を開こう。」

などもあったかと思う。

ただ、私のクラスでは、目標のためにどのような活動をするか、どのようにまとめるかはゆだねているため、大きな目標のみを示している。

「主体的に学ぶ」姿って何だろう

さて、本単元は題名にも付けた通り、「子供と共に学習する」ことを大切にして始めた。

「主体的に学ぶ」とはどのような状態だろうか。

これについても別の記事でしっかり考えをまとめたいが、今簡単な言葉でまとめるとしたら

  • 「やりたいこと」を見つけられる。
  • 「やりたいこと」を実行できる。
  • ふり返って次の見通しをもてる。
  • 「やったこと」に責任をもって、自分や他者を変えていける。

この辺りが様々な文献等を読んだ上でうかんでくる。

「主体的」という言葉を使うことは多い。そして誰もが目指している姿だろう。

ただ、その目指している姿を思い描いているのは誰だろうか。

それが教師の思いのみならば、乱暴な言い方をすれば、それは教師の思い通りになるように誘導しているに過ぎないと考える。

そうならないために私が1年前から心掛け始めたこととしては

  • 子供へ教師の考えていることをそのまま伝える。
  • 「子供」と「大人」、「児童」と「教師」という枠を外して考える。
  • 一緒に思い切り楽しむ。

ということである。同じ学習者として子供達の発言を素直に楽しみながら、「教えてあげなければ」「子供だから、○年生だから発達段階として・・・」という考えを一度外してみる。

意外と子供は賢く面白く、大人と違う方法や視点から学びを深めるものである。そこに優劣はない。

そうはいっても私は教師。プロの教育者として子供達よりは遥かに多くの知識や経験を持っていたい。それらは隠して子供に考えさせて、ではなく、「私は大人としてこう思うよ。」と素直に伝えている。

その上でどうするべきか考えればよい、というのが最近の考え方。

久しぶりの更新、いきなり子供と同じ学習者として、などという授業展開の話をしたので、よくわからない、もっと聞きたい、授業が見たいという方は気軽にこちらから御連絡ください。

この前にやった1学期の授業はこちら

3年生「まいごのかぎ」1時間目 子供に委ねた物語授業
本単元では、子供達に学ぶ視点、学び方などをゆだねている。「場面の移り変わり」という学んで欲しいとこちらが考える内容は伝えながらも、子供達が学ぶ中に入りひたすら関わる、見取る授業となる。導入の本時では、なぜ学ぶのか、どのように学ぶのかに視点を置いて授業を展開した。

夏休み、楽しみましょうね。

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