授業考え方Q&A

国語の学習指導案の書き方 ~後編~ 指導案の書き方 具体的な例

授業

前回の続きです。

前回は考え方をつらつらと書きましたので、今回は具体的な書き方のみにフォーカスを当てて記事にしてみたいと思います。

前回の記事を読みたい方はこちら

国語の学習指導案の書き方 ~前編~ 指導案の考え方、必要なもの
国語の学習指導案を効果的に作成するための具体的なアプローチと考え方。指導案の基本的な要素と必要な素材について詳しく解説します。今まさに指導案を書いている教師や教育関係者の方はぜひご一読ください。

あくまで、私の考え方ですので、この方法が合っているかどうか、ご自身のこれまでと比べてぜひ考えてみてください。

あと、

この記事を読むと分かること ※後編は赤字 前編で残りを書いています。

  • 指導案の「考え方」
  • 指導案に「必要なもの」
  • 指導案の書き方
  • 具体的な指導案例

指導案の書き方

平易な言葉を使う~説明ができる、読み手が分かる~

まずは、かっこよく書く必要はありません。複雑な言葉はいりません。

前回の記事に書いた通り、読み手への手紙のつもりで。

そうすれば、できるだけわかりやすく、自分の思いを知ってもらいたくなるはずです。

例えば架空の例ですが…

本時では、児童が叙述に基づいて理解したことを踏まえてグループを構成して議論し合い、出てきた結論を基に学級全体で吟味し、確かな考えを明確にしていく。

のような叙述があったとしましょう。あくまで架空です。

この文章において

本時では、児童が叙述に基づいて理解したことを踏まえてグループを構成して議論し合い、出てきた結論を基に学級全体で吟味し確かな考え明確にしていく

私なら赤字の部分が分かりづらいと感じます。

参会者
参会者

吟味と話し合うは何か違うのですか?

確かな考えの「確か」とは何のこと?

なんて聞かれても困ってしまいますよね。

なので、私だったら

本時では、児童が文章を読んで理解したことを3人組のグループごとに話し合い、出てきた意見を学級全体で出し合って「こうだろう」と思った考え一人でノートにまとめる

くらいの言葉にします。

大事なのはかっこいい言葉や難しい言葉を使うことではなく、

相手に伝わることです。

吟味している、議論している、というのは授業を見ればわかります。

聞かれたら説明もできます。

指導案には書かない「自分の目標」をもつ

さて、指導案にはその時の単元について主に書きます。

ですが、そもそもその単元で授業を行うのはなぜでしょう。

本時をそこにしたのはなぜでしょう。

言語活動を数ある中からそれにしたのはなぜ?

など、一つ一つ考えると難しいですし、ずれていきます

指導案には書きませんが、書き始める前にぜひ、教師としての大きな目標を考えておきましょう。

読むことが国語では重要だから

話合い活動が大切だから

自分の考えをまとめることが必要だから

と、一つ一つ答えるのは分かりづらくても

これからの世界を、自分と相手を大切にして生きてほしいので、そのためには」

他者の考えを読むことが重要で、

他者と話し合うことが不可欠で、

相手と同じくらい自分の意見も大切にすることが必要だから

と、一つに繋げることができるようになります。

指導観、児童観、教材観が先。次に単元構想。本時を考えるのは最後。

これは人によって、もしくはその時々によって違うと思いますが、基本的に私は本時は後回しです。

まずは、どんな教室にしたいのかを考えます。

最初に本時を考えていた時期もありました。

こんなことしたい

こんな姿を見せたい

こんなものを使いたい

考えるのは楽しかったですが、今となって考えると、あれは子供が置いてけぼりの授業案だったなと反省しています。

具体的な指導案の書き方~せっかく書くなら楽しみながら、面白く~

書き方、文型、項目や言葉遣いなど、地域によって違うところもあると思いますが、これは一例です。何かの参考になると幸いです。

基本は、楽しみましょう。

だって、クラスの素敵なところはここだぞ、これを見てくれ、すごいから、と伝えられる文書なのですから。

児童観の書き方~ここ、すごいだろ~

児童観、よくアンケートの結果やこれまでの姿から課題を示すことが多いと思いますが、ここは児童の実態を先生の目からとらえて書く項目です。

本学級の児童は、○○ができる一方、▲▲のような姿が見られ、●●が課題である。

という書き方でもいいですが、

本学級の児童は、□□をこれまで学習してきたことで○○ができる児童が多い。今後はさらに▲▲のような姿を自覚しながら、●●ができるようになることを期待している。

なんて、プラスの表現で伝えてみたいですよね。

指導観の書き方~理想を語る~

ここは、「こういう指導をしたい」「これを大切にしていきたい」と先生が主語で語れる部分です。

当然、児童の実態や使用する教材と乖離しているものは読み手に混乱を招きます。

ですが、「こうしたい」と願って書いた文章と授業が大きく外れることなどありません。

ぜひ、存分に自分の理想を書いてください。

以下は私の文章の一例です。※細かいので、流し読みで

教材観の書き方~一般論ではなく、私の見立て~

使う教材、授業によってはここで、と決まった状態から指導案作成がスタートすること、ありますよね。

教科によるかもしれませんが、国語においては、話すこと・聞くこと・読むこと・書くことのすべてにおいて、使っている素材は「言葉」です。

素材となる文章やテーマは決まっているかもしれませんが、そこから指導できるもの、身に付けられるものは、視点を変えればとても広くなります。

なのでここは、一般的に言われているその教材の価値

だけではなく、

私の思う、この教材の価値

を書けるとよいですよね。

単元構成は腕の見せ所?!

単元構成については、何時間、どこで何をするか、ということを考える必要があります。

正直、ここはいつもかなり時間がかかります。

ただ、工夫できることが多い部分でもあります。

例えば8時間扱いの単元であれば、

8時間目に単元の目標を達成していれば素敵ですよね。

ということは

途中の1~7はどうであれ、8時間目に繋がっていればよいのです。

そう考えると1~7を一つ一つ丁寧に細かく、だけではなく、8時間目に向けた一本の太い道のように思えます。

また、ゴールは一つでも、道の作り方はたくさんありますので、

例えば学年や同じ部の先生で出し合うのが楽しいのもこの「単元構成」

の部分です。

本時は楽しい想像をしながら、でも「留意点」の言葉に責任をもって

最後に本時です。何をしようかなと悩みながらも上記の内容が固まっている先生であれば、その考えにそって1時間何をするか考えるので比較的イメージは沸きやすいかもしれません。

あとは、やりたいことがいろいろあるあまり、先生のやりたいことを披露する展開にならないようにします。

こんなことしたら子供がきっとこうなるだろう。

という思いを忘れずに。

そして、学習活動ごとに書くのが「指導上の留意点」です。

ここは主語が教師となります。

見通し通りにいかない子供が主語の部分と違って、ここは見通し通りに行えます

教師側が心から留意点だと思っていれば

ぜひ、ここは、「言ったからにはやる」スタンスで!

最後に~悩んだら連絡ください~

以上で大雑把ではありますが、指導案の書き方をまとめてみました。

ただ、頭で分かっていても、結局書き出すと悩んで迷って楽しくないことの方が多いかもしれませんね。

私はありがたいことに、指導依頼や校内、実習生も含め、年間何十本も指導案を添削しております。

もし何かお困りのことがあればぜひ、こちらから連絡ください。(ちゃんと返せるように頑張ります。)

授業作りが少しでも楽しいものになりますように。

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