前時では「あらすじ」をまとめて終わった。その際、主人公がスイミーであるということを確認した。本単元の目標の一つには「場面の様子に着目して、登場人物の行動を具体的に想像することができる。」とある。子供たちの目標は「本を紹介するため」であるが、ここから3時間、行動や場面の様子に着目するよう授業を展開していく。
本時(3時間目)
導入
T:この物語の主人公は誰だっけ?
C:スイミー!!
T:そうだね。ところで、スイミーってだれ?
C:スイミーはスイミーだよ!
C:一匹だけ黒い魚!
C:ちがう、小さな黒い魚だよ!
T:あれれ、一番大切な主人公なのに、説明できなきゃ本の紹介ができないなあ。
ここで本時の課題の確認。
課題はいつも必要な視点を示した後、子供達に「今日は何を学ぼうか。」と聞いて、出てきた言葉で提示している。(もちろん、こちらは課題を予め用意しているが、学習に向かう態度を作るため)
展開
スイミーはどんな魚かな
T:では、早速考えてみよう。スイミーはどんな魚かな。
C:一匹だけ黒い!
C:ちがうよ、「まっくろ」だよ!
C:誰よりも速い!
T:走るのがだよね?
C:違う!泳ぐのが!!!
T:そうか?なんでそう言い切れるの?
C:教科書にそう書いてあるから!
このように、あえてとぼけたりしながら、根拠となるのは物語の叙述であることを時折抑えている。
今回はここから発展していく。
スイミーは頭の良い魚?
T:さて、他にはないかな。
C:頭のいい魚です!
C:え、そんなこと書いてないよ。
T:確かに書いていない。どうしてそう思ったの。
C:だって、お話の最後の方で、みんなに作戦を伝えたり、指示を出したりしているから、きっと頭がよくて勇気があるんだなって…。
T:(内心、よく言った!と思いながら)え、そんなこと書いてないのに、勝手に考えていいのかな。
C:スイミーがしたことだから、これはOK!
T:みんなも頭が良い魚だと思う?
C:(各々反応を示す)
T:ということは、今日は書いてあることだけではなくて、スイミーがどんなことをしたり、どんなことを言ったが、行動を読むとどんな魚か見えてきそうだね!
この学習は今後、「人物像」を読み取るときに生かされていく。行動や会話に着目するとどんな人物なのかが見えてくる。
その後は、各自でどんな魚かわかる行動や会話部分に線を引いて考えた。
スイミーは・・・
T:さて、今日の勉強をまとめていこう。スイミーがどんな魚か知るためにはどこを読めばよかったかな。
C:したこと!!(行動)
C:言ったこと!(会話)
C:考えたこと!!(ここでは作戦を考えていた場面を主に指していた。)
では、今日の学習を生かして最後にまとめてみよう!
「スイミーは○○な魚」という書き方でまとめましょう。
まとめ
本時の授業では、勇気がある、優しい、かしこい、だけではなく、怖がり、悲しんだなど、マイナスイメージも出てきた。そこを少し強調し、なぜ変わったのだろう?と疑問を子供たちに植え付けた。これが次時の学習へつながっていく。
次時では、今日考えたスイミー像が変わっていく様子を読み取っていく。
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