本単元の指導事項
今日から新しい単元に入った。本単元は「事例と考えの関係」を押さえたうえで「自分の考え」をもち、「共有」するという単元である。しかし3つを全て重点的にというのは難しいためここから絞ることになる。今回はそれを子ども達と考えていくという授業展開にした。
説明文って何のために読むの?
T「今日から新しい単元だ。説明文です。」
C「えー。」
T「えーというけど、じゃあ国語の中で何が好きなの。」(ここで、話す・聞く、書く、読むで聞くと圧倒的に読むことが好きな児童が多い。)
T「さて、今まで散々、いろいろな文章を読んできたけれど、ここでちょっと考えてみよう。説明文を読んでどんな力がついた?」
C「うーん」(少し考えて)
C「読む力!」(読むのだから当たり前だ!と周りから)
C「要旨をまとめる力!」
C「筆者の言いたいことをとらえる力」
C「事実と考えを区別する力」
C「表現の工夫を読み取る力」
いろいろと出てくる出てくる。ほっと一安心。
T「じゃあここで、あるプリントを渡すね。」
そういって渡したのは、5年生で学習する全ての指導事項をわかりやすくまとめたもの。
チェックボックス付き。
T「これを学ばなければいけないんだけれど、学べているかな。」
C「え、こんなに!?」
展開~何を学びたいか、自ら決める~
さて、説明文の読み取りとなると、受け身になってしまうことがあるが、学習する力(わがクラスでは「国語の力」と名付けている)を意識させることで何のために読むのか目的をもたせようとした。
T「さて、これらを踏まえて、今回説明文を学習することで達成したいこと、身に付けたい力はどんなものか、自分の考えを書いてごらん。」
それぞれ自分の身に付けたい力を一覧から考えたり、自分の言葉でまとめたりしてノートに書く。
T「じゃあ最後に、今回使う教材を一度読んでみようか。」
そうして、範読をした後、文章を読んで考えたことをまとめ1時間目は終わった。
学びを自分事としてとらえさせる。
さて、このような導入にしたのは国語科にある問題点を解決するためである。国語科ではよく「教材」の名前を覚えている子は多いが、「何ができるようになったか」を答えられる子は少ないということを聞く。そこで、普段から「身に付けた力」が何か、「何のために読んでいるのか」ということを明確に子ども達に示すことで意識させるよう努めている。もちろん教材自体を楽しむことも大事である。
第2時~何をして力を身に付けるか~
T「この前みんなが書いたものをまとめてきました。」
そういってまず配ったのは、前時で子ども達が書いた身に付けたい力を一覧にしたもの。それを分類すると大きく
- 読みとって考えを持つ
- 考えを共有する
という2点であった。私の本来指導したかった目標である「共有」も入っているのでばっちり。(入っていなければ、自分で言うつもりだった。)
T「さて、これらの力が身に付けられたらいいのだが。今回は何をしようか。」
C「???」
T「今まで、どんなことをして学習したことある?」
子ども達は最初何を聞かれているのかわからない様子だったが、そのうち
C「劇をやったことある。」
C「なんか話し合いみたいな。」
C「先生の授業で意見文を書いた。」
など、考えればやはり色々出てくる。
何をして学ぶか
たくさん思い出したところで今回の言語活動を子ども達と考えていく。
T「ではまず、これらの力をつけるために何をするか決めよう。」
T「何がいい。討論でも、雑談でも、発表会でも。」
C「討論がいい!!!」
C「いや、会議みたいに話し合うのをしたい!」
C「発表会!!」
やはり、自分で決められるとなるとノリノリの子ども達。
T「おお、いいね。だが、討論や会議となると、何について話すんだ?」
C「筆者の考えに対して賛成か反対か。」
C「いやいや、それじゃあつまらないよ。」
C「想像力についての議論!」
C「それは広すぎるでしょ!」
楽しそうに、でも学習したい力に向かって考える。
T「ということは、発表会、という感じではないのかな。」
C「はい!」
C「やはり、筆者の考える想像力のスイッチに対しての考えで話し合いたい。」
T「筆者の書き方や表現の工夫について読み取りたいという目標に対してはどうする?」
C「あ!前にやった『この文章は上手か、下手か』という議論もしたい!」
T「ということは、2本立てということか?」
C「そうです!」
いやあ、子ども達と学習を作っていくのはやはり楽しいなあ。ということで我がクラスでは「筆者の考えへの賛否」「文章の上手、下手」で討論をすることになった。こうして2時間目が終わるころには、早く読みたくて仕方がない様子の子がたくさん。だが、この時間はお預けで、最後に学習計画を立てて終わった。
学習へのモチベーション
私が授業を作る時、最初に考えるのは「身に付ける力」が何か。だが、その根底には「やりたい」という子どもの思いがないと、やはり「習う」ことはできても、「学ぶ」ことができないのではないかと思う。
子ども達の興味や関心、意欲を引き出す方法はいくつもあるが、授業が終わったあと「もっとやりたい!」と言ってもらえた瞬間、授業をしてよかったなと思う。
さて、子ども達の要望で、(要望がなくてもやるつもりだったが)次時は全体で読み取りを行う。それを踏まえて討論の準備に入っていく。
次の時間はこちら⇒5年生「想像力のスイッチを入れよう」2時間目
授業に関するご意見、感想、相談などはお気軽にお問合せからどうぞ。
コメント