授業Q&A

国語の言語活動ってどうやって決めればよい?~考え方と実践した授業~

授業

「次の授業、どんな風に進めればよいだろう。」

「この単元って何すればいいだろう…」

こんなことを考えることが毎日ですよね。私も毎日考えています。

どんな活動にすればよいですか?

こんな質問を頂くことが多いので、今回は「普段こんな風に授業を考えて作っています」というのをまとめてみました。

この記事を読むと分かること
  • 言語活動の決め方
  • 話すこと・聞くことの言語活動例
  • 書くことの言語活動例
  • 読むことの言語活動例
  • 1時間扱いの言語活動例

では、張り切っていきましょう!

言語活動の決め方

何をねらいとする?

一番はここです。何をしても良いと思いますが、全ては「何ができるようになるか」で決まります。

例えば「音読発表会」

素敵ですよね。でも、音読することで何をねらいますか?

「読み取ったことを基に表現を工夫して読む」というねらいが考えられますね。

「スーホの白い馬」 読み取ったことから考えたことを伝え合いたいという児童の思いからまとめた用紙

あとは「本の紹介リーフレット」

これも全員が作ったものを見せ合うと楽しいですよね。では、ねらいは?

「要約」を書かせますか?それとも「人物像」について?もしくは「読んだ感想」?

何をねらいとするかによって内容は変わりますよね。

「スイミー」あらすじをまとめ、気に入った場面の絵を描き、感想を書く。

難しく考えることはありません。

ねらい⇒言語活動

という順番で考えるか

言語活動ねらいとする要素

と付け加えるかです。

ねらっている通りにいくか自分で試す

「お、これは面白そうだ」と思う活動が見つかったら、実際に自分でやってみましょう。

これはとっても重要です。

実際に行うと、思っていた以上に時間がかかったり、難しかったり、つまらなかったりすることがあります。ねらっている内容になっていないなんてことも。

これをしないで授業を行うと、とんでもない的外れな指導をしてしまいます。

(私も苦い経験があります)

授業に言語活動を組み込む

授業の目標は「指導事項を身に付けること」にあります。

決して「発表会を開く」ことではありません。

ただし、子供達の目標は「発表会」でも構いません。

要は、先生の中で目的がぶれないようにするのです。活動を楽しみながらも

先生
先生

良い発表をするにはどんなところに気を付ければいいのかな?

と、ねらいからブレずに進めていけば、子供達の中では

児童
児童

良い発表をするには〇〇が大切なんだな。

と、ねらっている内容に近づいていくはずです。

上級編 指導事項を子供に伝えてしまう

私がよく行うことの一つに「指導事項を伝えてしまう」という方法があります。

例えば、2年生「たんぽぽのちえ」

植物クイズ大会を行う中で「順序の言葉」を学習するよと伝えておくと、

児童
児童

じゃあ、クイズには「順序の言葉」を入れた方がいいね。

児童
児童

もっと順序の言葉を色々使えば、さらに勉強になるかも

という風に、自ら学習のため活動を工夫し始めます。

もっと上級編 言語活動を子供達に決めさせる

もっともっと上級編。

指導事項を伝えるだけでなく、それを達成するための言語活動を子供と決めます。

これはある程度の子供達の経験が必要ですが、できると自分事としてものすごい集中力で取り組む姿が見られます。これに関してはここに書くと長くなってしまうので、興味のある方はぜひお問い合わせから御連絡ください。

言語活動例~ちょっと変わった、面白かった実践~

ここからはこんな実践をしてみましたということを紹介します。

話すこと・聞くこと

お悩み相談会

2年生で行った実践です。「内容を落とさないように聞き、感想をもつこと」という指導事項をねらいました。体験談や、何かの紹介はあると思うのですが、それだと関心を持ちづらいと思ったので、思い切ってお悩み相談にしました。

中には好きな子に対しての思い、日ごろの兄弟げんか、お家でのルール、好きな遊び、などなど、それぞれ話しても良いお悩みを上手に話し、これまた上手に聞いて解決のアドバイスや感想を送り合っていました。

給食新メニューコンテスト

これは5年生です。栄養教諭協力の元、本当に給食に新メニューを加えるということで、全員がグループに分かれ、プレゼン対決をしました。

動画を撮ってくるチーム、実際に作った写真を見せる、パワポで資料をまとめてくるなどなど、創意工夫のなされた発表に加え、まるで通販の営業マンのように身振り手振りで発表している子も多かったです。

実際の授業はこちらの記事からどうぞ

5年生「提案しよう、言葉とわたしたち」第1時
教科書とは少し変え、「給食メニューを提案する」という言語活動を設定し、グループごとに学習の方法自体を工夫して行っていく。第一時では映像を使用し、意欲付けを中心に行った。

書くこと

学校パンフレット

6年生の実践です。

実際に学校のパンフレットを本当に作り、保護者や実習生に配るという活動をしました。

コロナ禍の授業であったため、全てPC上で作成し、子供たち同士の対話もMicrosoftのteams上で行われました。

実際の授業はこちらの記事から

6年生「日本文化を発信しよう」パンフレット作りの単元構成と言語活動
今回は趣向を変えて、授業作りの考え方について「日本文化を発信しよう」を例に紹介した。言語活動を何にするか、どのように単元を組むかは、児童の実態を見て、「今どのような力を身に付けさせたいか」に大きく関わる。そこを大切にして、授業作りについて考えた。

即興ランダム詩作り

これも6年生、詩を作るという単元があったとき、題材をくじ引きで決めました。

2つの要素を子供達に書かせて、それを混ぜて引き直す。

「虫」と「飛行機」、「アイス」と「女の子」のようにめちゃくちゃな組み合わせなのに、考えていくと意外と面白い詩ができる。

これはぜひ、短歌や俳句、他のことにも使えそうだなと思っています。

また、別記事で紹介しようと思いますが、こんなプリントを使って作りました。

読むこと

VS 教師

5年生「大造じいさんとガン」で行いました。情景描写など、表現の工夫を学習する単元ですね。

子供達と主題に迫る問いを立てたのですが、そこから先は、全体で学習するのではなく、「教師」と「子供達」でどちらが深く読み込めるかという勝負をしました。

子供達はteamsなどを用いて話合いをグループで進め、私はそこに意見をする。

そうすると子供達が反論してくる。そうして考えた内容は全体で発表し合い意見しあう。

大人も子供も対等に物語を楽しめた時間でした。(もちろん指導事項は押さえていきながら)

バラバラ言語活動

これは、尊敬する先輩の実践を参考にさせてもらいました。

指導事項を定めたら、いっそのこと何をするかは子供達一人一人に委ねてしまいます。

それらをひたすらフィードバックしていくという授業。

簡単に言うとこんな内容ですが、これを実現するためには深い児童理解が必要です。

興味のある方、やってみたいという方は、問い合わせからぜひ、御連絡ください。

国語をもっと面白く

いかがでしょうか。ここに書けていないこともたくさんありますし、当然失敗したこともたくさんあります。

でもこんな風に言語活動を設定しながら、国語の力が身についていったら素敵ですよね。

明日からの授業も楽しく、子供達と一緒に学んでいきましょう。

言語活動を工夫した新学期の授業開きはこちらから

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