今、学びの中で「振り返り」を取り入れている授業がほとんどではないかと思う。
その日行った学習の振り返りをノートに数行書いておくことの価値は先生方それぞれが考えをもっていると思います。
一方で、指導に携わらせていただく中で質問が比較的あるのもこの項目です。今日は個々について考えていきましょう。
振り返りを行う意味とは
国語の授業で何を振り返ってる?
はい、では授業の最後に振り返りを書きましょう。
以前の私は何も考えず、「振り返りを行う」ということそのものを大切にしていました。
けれどよくよく考えると、何を振り返るのでしょうか。
その時間の「課題」や「めあて」が「〇〇について…」とあれば、大抵の授業では「〇〇は~だったね。」と授業の中である程度のまとめが出ると思います。
そのまとめを繰り返して書くというのは振り返りにはなりません。
なぜ振り返るのか
授業で振り返る時間を設ける理由は、自分の学びがどうだったのか、自覚してこの先の学習に繋げるためです。
そのため、本時の学習は全員でまとめるかもしれませんが、振り返りが全員で同じ内容になるということはあり得ません。
そもそも学ぶという行為は他者から与えられるものではなく、その子の中で生まれ、その子自信が紡いでいくものです。
仮に教師が課題を与えたとしても、そこに主体性が生まれないということはないでしょう。
そのため、振り返りは
「その子自身が自分の学びの過程や結果を見返して、どうだったか考える。」
「次に自分はどうしたいのかを見通す。」
ということのために行うのです。
下のように自分の学びがどうだったのか言えるようになって欲しいな、と願っていますし、そうなるためにこの後の記事も書きます。
振り返りのポイントって何?
学びとは
以前この本を読みました。
荒木さんの言葉を借りると、学びとは「差分」であるということでした。
要は学ぶ前と後でどう変わったかが、その人にとっての学び。
だから1時間の授業であってもその前と後で何が変わったのか具体的に言えることが大切だと考えますし、その具体は「その子だけのもの」であるはずだと思います。
振り返りのポイント
そこで私が子供達に伝えているのは
- 自分がこの時間に誰と何をしたのか
- そしたらどうだったのか
- だからなんなのか
あれ、なんだか言葉にするとちょっと乱暴な気が…。
でも実際に聞いているのはこんなことです。
前までは、「何を学べたのか」とか、「次の見通しは」とかポイントを示していたのですが、振り返りって、そこまで決まったことを書くものでもないなと今は思っている自分がいます。
具体的な指導の方法
まずは、なぜ振り返りをするのか
何をするにしても同じですが、まずは振り返りをする理由を説明します。
本当の意味で学んだかは自分しか分からないからね。
自分の言葉で自分だけの振り返りをすることは価値があることだと
私は思うよ。
振り返りの時間を取る
振り返りは大事、と言いつつ、時間を確保していない授業では振り返れません。
まずは10分ほど、振り返る時間を授業の終わりに取って書かせてあげました。
長いと思いますが、何をしたか考えてそれを言語化してまとめるって、最初は難しいものです。
振り返りにコメントをする
振り返りって、お互いに見せ合うことは少ないです。
ただ、教師だけはノートを見たり、授業の様子を見取ったりすることで個々の学びを把握することができます。
子供が書いた振り返りにコメントを「書く」必要はありません。
ただ、日に何人か、学びに対して反応を返してあげると、子供たちは自分の学びをより自覚できます。
コメントは「受け入れる」ことと「聞く」こと
こういう書き方をしてくれたら、という理想はあるかもしれません。でも、そんなことを考えて振り返りを行っていると子供は「教師の望む言葉を使った振り返り」を書くようになります。
一番嫌ですね。
その時間に学びが無い子などいません。まずは学びとして振り返った内容を面白がりながら受け入れることをしています。学びの形に正解はありません。
ただ、加えて今どんなことを考えているのか、実際今日の学びはどうだったのか、子供達の話を「聞く」ことはたくさんします。
なるほどね!それで、今日は自分の中では満足がいった?
いや、実はそんなにできた気はしていない…。
そうなんだあ。何か理由があるの?
みたいな。
大事なのは「長さ」でも「書くこと」でもない。
たくさん書いてある振り返りはなんだかすごいと思ってしまいます。
毎日書かせたいと思うと、学習の途中でも遮って振り返りを書かせようとしたくなります。
でも、本来の目的を忘れてはいけません。
「その子自信が自分の学びの過程や結果を見返して、どうだったか考える。」
「次に自分はどうしたいのかを見通す。」
ために行うので、短くても自分の中で具体的に考えられている振り返りには価値があると思いますし、定期的に振り返れているのであれば毎時間必ずやら「ねばならぬ」ではありません。
大事なのは、大人も子供も何のために振り返っているのかを忘れないことです。
おわりに
ICT等を使えば、今は振り返りもかなり簡単にまとめたり蓄積したりできます。
「どのようにICTを授業に取り入れればよいか。」という質問もよくいただくので、今度まとめられたら記事にしてみたいと思います。
以上、今回は振り返りについてでした。
気になることがあればぜひ、こちらから連絡ください。(ちゃんと返せるように頑張ります。)
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